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神経治療最前線 海外学会参加報告

The 70th AAN Annual Meeting 2018

The 70th AAN Annual Meeting 2018

鈴木正彦  東京慈恵会医科大学葛飾医療センター神経内科

The 70th AAN Annual Meeting 2018
Los Angeles Convention Center, Los Angeles, California
April 21 – 27, 2018

2018 AAN Annual Meetingに参加して

2018年4月21‐27日Los Angelesコンベンションセンターにおいて、第70回米国神経学会年次学術集会(American Academy of Neurology –AAN-Annual Meeting)が開催された。ヨーロッパ諸国からも多数の参加者があり総勢14000人を超える70周年を記念するに相応しい大会となった。オープニングパーティーはユニバーサルスタジオで盛大に行われ、参加者は各々興味のある映画のシーンを思い浮かべるには十分な時間であった。

学術大会では、神経学のあらゆるジャンルを包含し各分野における研究の進捗に関する情報交換は勿論のこと、Brain Health Fairでは2500名以上のLos Angeles近郊住民に対して神経疾患に関するわかりやすい情報提供がなされた。またBrain & Lifeと称した雑誌を英語とスペイン語で発刊したり、神経学に興味を持つ115名の高校生をhands-onに招待したりするという新しい試みが見られ、優秀なプレゼンをした4名の高校生に賞が贈られた。ちなみにこの4名は女性である。

Plenary sessionは、hot topics, presidential, contemporary clinical issues, clinical trials, frontiers in neuroscience, controversies in Neurology, Neurology year in review: emerging therapiesの7つが連日組まれ学会の軸となった。抄録数は3,200、245の教育コース、54のplatform sessions, 7つのNeuroscience in the Clinic sessions, 6つのposter sessionsが開催された。その他各メデイアとの交流や他学会との共同セッションも盛んで、いずれの会場にも多くの女性参加者が目立ち、また学生からレジデント、専門医取得や生涯教育に至るまで、連続した教育システムが構築されており、さらに特筆すべきはAANextraというdaily newsが毎朝配布され、トピックスが容易に理解できるように配慮されていた。

学会事務局は会員の満足度を調査し、様々な意見を毎年反映させており、参加者は非常に有意義な時間を過ごせたのではないだろうか。今回は日本からの参加者が京都で開催されたWFNの影響もあってかなり少ない印象を受けた。学会参加費や渡航滞在費を含めると大変な金額となるが、全体的なレベルは極めて高く短期間で多種多様な情報に触れられる有意義な学会であることは間違いない。

図1

図2

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